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ほめると子どもはダメになる

「うちの子は褒めると伸びるタイプなので、褒めてあげてください。」

 

この様な発言をされる方がたまにいらっしゃる。聞かされる方は一瞬、「えっ!?」とたじろいでしまう。何故なら、褒める褒めないは人から言われてすることではないし、褒めて伸びるタイプかどうかはこちらで判断することだからだ。

 

これまでの経験上、残念ながらこのような発言をされる親御さんは、お子さんを甘やかしているケースが多い。子供を甘やかしすぎて真実が見えなくなっているため、第3者からどのように見られているのか分からないのだ。

 

私が考えるには、ただ褒めるだけで伸びる時期というのは、幼児期であると考える。幼児はできないことが沢山あるからだ。それでほんのちょっとでもできるようになったら、むちゃくちゃ褒めると、ほとんどの子供はやる気がでる。

 

しかし、これはあくまで家庭でのお子さんの躾がちゃんとできている場合のみである。

 

躾がちゃんとできていないお子さんの場合は、挨拶もそこそこで、レッスンの間も落ち着きがなく、ぐずったり、わがままが多い。親御さんはオロオロするか、言っても厳しい口調では注意しない。このようなお子さんは、褒めてもなだめても言うことを聞かない。何故なら、そもそも親の言うことを聞かないからである。(現在、当教室では体験レッスン時に入会テストをしているため、このような生徒さんはいない。レッスンが成立しないものに対してお金を頂くことができないことと、生徒さんにとってはお金と時間の無駄になるだけだからである。)

 

厳しさがあるから、子供は褒められるとそれに反応するのである。いつも甘やかされ、褒められることしかされないお子さんは、先生から褒められてもあまり反応しない。つまり、

 

マイナス(厳しさ)があるから、プラス(褒める)が活きてくるのである。

 

先日、本屋さんにいったら、このような本を見つけた。

 

「ほめると子どもはダメになる」

 

昨今、褒める子育てがマスコミなどでよく取り上げられるので、何て斬新なタイトルなのだ、と思った。この本によると、日本の子供の場合、ダメになることが多いと書かれている。海外とは事情が違うからだ。中身を読んで見たら、なるほどと思われることが多い。

 

私はアメリカに10年程住んでいたので、向うのご家庭の子育てを拝見することがあったが、日本人がよく誤解しているのは、アメリカは褒める子育てをしている、ということだ。とんでもない!

 

アメリカの家庭の多くは、子供が悪いことをすれば体罰は当たり前、それから、子供が親の言うことを聞くように大変厳しく躾けられる。それを考えれば、アメリカ人は褒める時にはなぜあんなに大袈裟に褒めるのだろう、ということがよく理解できる。

 

この本の中に、アメリカと、確かフランスだったが、日本と比較して、子供が親の言うことを良く聞くことを望む親が、欧米では80%前後なのに、日本ではたったの12%くらいなのだ。親の言うことを良く聞かない子供は、先生や他の大人の言うことを聞くことはまずない。この様なお子さんは、学校の成績もあまりよくなく、社会に出ても成功することはない。

 

また、子供に体罰は必要か、の質問に対して、欧米ではほぼ70%くらいに対して、日本はわずが10%程度。

 

これらの統計を見れば、日本の子育てがいかに甘いものかがおわかりになるであろう。

 

日本では虐待になるから、と子供への体罰が否定的な親御さんが大変増えてしまったが、では欧米ではどのような時に子供に体罰をするのか?それは、家庭や他人との約束事やルールを破った、人に迷惑をかけた、人として間違った行動をとった時、だそうである。行儀が悪いお子さんに対しても体罰をする親御さんも多い。しかし一方で、子供ができないことに対して(例えばサッカーが上手くできない、フォークが上手く持てない、など)は決して叱らないそうである。

 

今の日本はどちらかというと、子供ができないことに対して親がイライラして怒鳴ったり、手を上げたりすることが多く、人との約束を破ったり、人に対して悪い言葉を使ったり、行儀が悪いことに対しては大変甘いのではなかろうか?

 

本来、叱ってはいけないところで叱るから、日本人は大人になってもどこか自分に自信がない、性格が卑屈になっている人が多いのではなかろうか。

 

当教室では、小学校に上がったお子さんの場合は、決して褒めるだけのレッスンはしない。私は、厳しさと優しさのバランスが重要であると考えている。もちろん、子供ができないことに対しては決して叱ることはないが、ピアノの練習をさぼった場合は叱る。何故なら、それは入会時の先生との約束だからだ。

 

指導者はただ優しいだけでは、決して子供のためにならない。それに、何でもない所で褒めたところで、敏感なお子さんの場合は、それが本当に褒めているのかそうでないのかは、見抜かれるのである。指導者として、信頼されるべき人であるには、やはり嘘はいけない。いい時はいい、悪い時は悪い、とはっきり言える指導者でなければ、生徒さん、親御さんからの信頼は決して得られないと思うからだ。

 

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