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基礎がおろそかな人は伸びることはない

昨日、大相撲の横綱白鵬が前人未到の40回目の優勝を果たした。白鵬が何故こんなに強いのかということをNHKの解説者が話をしていたが、白鷗の場合は、基礎練習を普段から徹底しており、通常の力士と比べても半端ない練習量で、強靭な基礎体力があるという。相撲にはあまり詳しくはないが、調べてみたら、相撲の基礎練習には「すり足」「てっぽう」「四股」などの伝統的なトレーニングがあり、白鷗はそれらのトレーニングを毎日2時間もかけて、基礎力・基礎体力をつけていったそうだ。

 

ピアノの基礎練習で言えば、これらはスケール(音階)、アルペジオ(分散和音)、オクターブ、重音、ユニゾンなどに当たるが、これら全てをきちんと習得するのに、ピアノでは10年かかると言われている。特にピアノ初心者にとって、スケールとアルペジオは最も重要な基礎テクニックだが、最近のお子さんはこれらの基礎力さえも十分でないのに、曲だけが進んでしまっているケースを多く見かける。

 

先日、他のお教室で習っていた小学生2年生の女の子が体験レッスンに来ていたが、スケールやアルペジオを全くやらないまま、いきなりハノンの練習曲をアレンジしたようなユニゾンの練習曲をやっていたそうで、体験レッスンで聴かせてもらっても、本人は四苦八苦の状態。まだこの子は両手同時に曲を弾くことができないのに、いきなり両手でユニゾンの練習をさせるのは無理なのは明らか。ユニゾンは楽譜を見ると一見簡単そうで誰でもちょっと練習すれば弾けるのではないかと思われがちなのだが、実はこのユニゾンこそが結構難しいので、スケールやアルペジオをまずしっかりマスターしてからでないと当教室ではやらない。

 

ピアノ初心者にとってまず難しいと感じるのがスケール。この壁を乗り越えないことには次がない。慣れてしまえば非常にサラッと弾けてしまうのだが、初心者にとっては難しいテクニック。片手ずつならなんとか弾けるが、両手となると運指がなかなか定着せず、四苦八苦する子供が多い。頭の良い子は、指くぐりや指またぎのタイミングを覚えてすぐにできてしまう子がいるが、それでも手や指の使い方がなっていないケースが多いので、なめらかで無駄のないスケールが弾けるようになるには時間がかかる。

 

ところが、最近のお子さんは、この様な地道な基礎練習を嫌がることが多く、自分の弾きたい曲だけを弾きたがる生徒さんも増えている。そういう生徒さんには、どの曲も全て、スケール、アルペジオ、オクターブなどの組み合わせで出来ており、曲がちゃんと弾けるようになるには、これらの基礎練習を集中して練習する必要があるのだよ、と伝えている。

 

これに納得して、素直に地道な基礎練習をきちんとやる子は、やはりその後の伸びが違うが、おろそかにする子はやはり伸びない。基礎練習がおろそかな子は、ほとんどの場合、初級レベルの終盤に行く前に伸び悩み、上のレベルに行くことは決してない。それに気づくのは、本人が大人になってから気づくケースが多い。子供の時にやっていれば上達がもっと早く、しかも定着率が高いのに、その時期を自ら逃してしまっているのだ。

 

弾きたい曲があるのは大変良いことだが、横綱白鵬が普段から基礎練習をきちんと積んでいたからこそ自分の思うような相撲を取ることができるのと同じ様に、弾きたい曲を自由に弾けるようになるには、そこへ到達する前の基礎練習は避けて通れないのである。

 

 

 

 

 

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